【説明する力】子どもの説明、正直何を言っているのかわからない
2018/08/12
説明するってむずかしい
子どもたちが家で学校の話をするとき、また、知らないゲームのルールを説明してくれるとき、正直「何を言っているのかわからない」ということがよくあります。これは、相手の立場に立った説明ができていないからです。
これを教えるのに高い壁を感じるのは私だけでしょうか?
国語のドリルにあるような「しかし」「だから」「なぜなら」を使った文章を書くのは、慣れれば案外すぐにできるようになります。
しかし、「説明する」というのは相手の気持ちも考えなければいけないため、子どもにはなかなか難しい。
大人でも説明下手な人がたくさんいますが、相手のことを考えていないからですね。
・出来事を話す。
・使い方を教える。
・良さを伝える。
このうちの上2つはとりあえずなんとかクリアしたい。
説明上手になるにはどうしたらいい?
まず何を説明するかによってもやり方は変わってくると思いますが、説明の中で何が必要なのか?
・いつ、どこで、だれが、どうした
・時系列で伝える
・特徴を伝える
・違いを伝える
・例をはさむ……
中でも小学生にありがちなのが、「いつ、どこで、だれが」という状況説明を省略してしまうというもの。全体像が見えなければ、「どうした」だけ聞かされてもわけわからない。これは、次の「ルーズ」の部分に相当します。
ルーズとアップ
ルーズとアップで説明する。たぶん、そんな内容を小学4年生の国語でやるのかな?
わかりやすく説明するためには、
まずは、相手に見通しを持たせる説明(ルーズの説明)をしてから
次に、相手の立場に立って詳しい説明(アップの説明)をする
ということですが、これは数をこなせばいいのでしょうか?
やってみた
私の小学校では、近所の生徒数人で登校班をつくって登校します。学年は関係なくひとつの班になります。そして、一番上の学年の子が班長になります。
私の班は、5年生が1人、3年生が3人、1年生が2人です。
毎朝7時25分に集合なのですが、全員が集まるのはいつも7時35分です。
今朝は5年生のけんた君、3年生のひで君がお休みでお母さんたちから連絡帳をあずかりました。
そして、私が班長となって出発しました。
登校班で登校するというシステム、登校班の構成、集合時間など全体像が見渡せる説明。
その後、今朝あったことを説明することで、「いつも」と「今朝」の違いがはっきりし、「今朝」あったことが際だつ。
シャーペンは鉛筆の代わりになるもので、鉛筆と同じように書くことができます。持ち方も鉛筆と同じです。ただ鉛筆とちがうのは、芯を出し入れするという点です。シャーペンの上部をボタンのように押し込むことでシャーペンの先から芯が出てくるので、その状態で書くことができます。芯をしまうときには、シャーペン上部を押したまま芯が出ている部分を机に押し当てます。
鉛筆は当然知っているだろうという前提で開始。
持ち方も書き方も鉛筆と同じだということで、この部分の説明は省略できる。
鉛筆と比べて違いを明らかにし、その違いについてこれから説明しますよと前置き。
「どこを」「どうすれば」「どうなるのか」。
「どこを、どうすれば、どうなるのか」だけを言い、それまでの前置きは省略していないか。
最後の説明部分の上手さも大事ですが、今回気にしているのは「前置き」があるかどうかです。
日本とアメリカの説明スタイルの違い
おもしろい作文実験があります。
日本の小学生とアメリカの小学生に同じ4コマ漫画を使って作文を書かせました。
結果は、日本は時系列による説明スタイル、アメリカは因果律による説明スタイルという違いが見られました。
つまり、日本の小学生は1コマ目から4コマ目まで順番に説明。それに対してアメリカの小学生は4コマ目あるいは全体の印象(結果)から記述し、その後、結果の原因を1~3コマ目に遡って記述しました。
日本の小学生は93%の子が時系列。アメリカの小学生は34%の子が因果律の説明スタイルで書いています。ちなみに60%の子が時系列の説明スタイルで書いています。
ひとつの「型」として、因果律スタイルも修得しておきたいところですね。
けんたはベンチでしょんぼりしています。どうしたのでしょうか。
昨日、けんたは夜遅くまでゲームをしていました。
朝、目を覚ますと寝ぼうしていました。急いで家を出ました。
けんたはあわてていたのでちがうバスに乗ってしまいました。
その結果、ちこくして試合に出ることができなかったのです。だからしょんぼりしているのです。
日米仏の思考表現スタイルを比較する(外部サイト)
説明スタイルの日米比較(PDF)(外部サイト)
子どもが一瞬で書き出す! “4コマまんが” 作文マジック [ 村野 聡 ]
|
↓↓↓「いいね!」の代わりにポチッとたのむ!